これやこの

ミーハー

『JOKER TRAP』 感想

 GWあたりに舞台を2つ観ました。

 結果、最高に最高を超えた、最高で最高な最高のものを観てしまった…という感動が冷めやらぬので、この気持ちをどこかに残しておきたく、ブログを開設しました。

  まずひとつ、うたの☆プリンスさまっ♪より「JOKER TRAPN」の感想です。

 

 私はアニメやマンガのあたりをうろつくミーハーです。けれども、いわゆる2.5次元と呼ばれるような舞台は映像でも観たことがありませんでした。その評判は耳にしたことがありましたが、ものすごく思い入れのある作品が特になかったので、何かは観てみたいなと思いつつも観ないまま生きてきました。

 そのように生きてきたのにどうして「JOKER TRAP」を観ようと決めたのかというと、チケットe+から一般でもまだまだチケットが買えますよとメールがきたからです。にわかを極めているとはいえ、さすがに「うたの☆プリンスさまっ♪」は知っていましたし、舞台についても、少しだけですが噂は聞いていました。また、「JOKER TRAP」は劇団シャイニングのシリーズの中で個人的にいちばん好きな話だったので、良い機会と思い、チケットを購入し、キャストの方々も、演出や脚本などを担当された方々のことも全く知らないままに舞台を観にいきました。

 

 各方面のファンの方々は、本当に好きだからこそきっとたくさんのおもいがあると思いますし、制作側もまた想像がつかないくらいのたくさんの情熱をかけてくださったからこそあの舞台があることとおもいます。以下は、それらの全くの上辺、のごくごく一部、のほんの端っこしか知らないにわかが、徒然なるまま、何もかも考慮せず書く感想です。

 

さらに付け加えれば2次元の(そして先代の一ノ瀬トキヤの)ミーハーなので、主にそちらからの感想になりますということと、私は今回の舞台そのままを先代キャストは演じていて、今回の舞台はその再演だという個人的な想像も含む感想になります。

 

 

 今回の舞台は、ドラマCDよりも前のことを描いていたので、ストーリーなどは新しいものでした。

 新しいストーリーの中、役もまたドラマCDのものとは一味違うものとなっていたのですが、特にTOKIは、全く新しい役を与えられていて、さらにそれはとても難しい役だったんじゃないかなと思います。

 どういう風に難しいかと言えば、まず、 「一般人(という演技をしている)」という演技をし、それから「一般人の演技を解き、そこそこ腕の立つ新人スパイ(という演技をしている)」という演技をし、さらに「新人スパイという演技を解き、すごい正体を明かす(という演技をしている)」という演技をし、極めつけは終盤の盛り上がり、騙し騙されのスパイの世界の中、TOKIを含めた全員がそれぞれの本当の姿を明かし、あれやこれやでよっしゃ!! と盛り上がったところで、そこでようやく、それまでずっとずっとずっと内に秘めていた、TOKIの中の、本当の本当の本当のおもいを口にする、という感じの難しさです。

 演技をしている演技をしながらその演技を解いたふりの演技をしたりしてでも相手の言葉に心動かされたりしつつ本当の本当の本当はずっと心の中に隠したままという、もはや訳の分からないこの役は、文章の拙さを無視しても、とにかくものすごく大変であることはもう素人目にも明らかで、さぞ高い演技力が求められたのだろうと想像ができます。

 そしてまた当然のように、一ノ瀬トキヤはこの役を演じていたんだなと思いました。

 常に上の上の上を目指す、そのための努力を決して惜しむことのないトキヤ。プリンス様達全員がそうであることは大前提の上で、トキヤはまさしく努力の人です。ソロ曲にしても毎回新しいジャンルの歌に挑戦し、言い方が正しいか分かりませんが、いかに自分が歌えるかを見せつけてれるように、常に満足することのないそのストイックな姿勢の賜物である高い技術を、様々な形でいつもいつも更新して私たちに見せつけてくださいます。

 だからこそ、この演技力を試されるような役を、先代の彼は任されていたのだろうなと思いました。

 

 もともと劇団シャイニングは、ST☆RISHとQUARTET★NIGHT、そしてそのファンのためにはじまりました。なので初代のキャストであるアイドルのそれぞれの個性が役にそのまま落とし込まれています。

 けれど、キャストを変更するとなると、当て書きされた部分をどうするか、ということが問題になります。

  脚本について、すごいなあと思ったのが、そのような部分をしっかり役の魅力として、また伏線として落とし込んでいたところです。蘭丸の「ロック」も、カミュの「砂糖」も、レンの「レディ」も。

 ただ一つだけ、全くの違和感を残したまま、初代キャストのためにあったシーンを残していました。それは、RANがベースを弾くというシーンです。

 初代の時は、そのシーンはファンへのサービスという意味だけではなく、おそらく制作側から蘭丸へのプレゼントという意味合いもあったんじゃないかなと思います。毎回毎回、新しいアレンジでベースを披露し、大きな拍手がまきおこっていた様子が目に浮かびますし、それは蘭丸にとっても、とても楽しい大切な見せ場であったことでしょう。

 けれども、2代目のキャストさんにとっては、とても大切な見せ場であると同時に、ものすごいプレッシャーがかかるシーンになったと思います。やらないという選択肢もあったと思います。けれども、ベースを弾くことを選択してくださいました。

 というかもともとのドラマCDにはそのようなシーンは無いので、今回わざわざ追加してくださったことに、先代への並々ならないリスペクトを感じ、勝手に感動していました。ベース、とってもかっこよかったです。

 

 また他にも例えばアドリブをふるのはカミュだったろうし、さぞ無茶な振りを存分にしたのだろうなとおもいますし、コバヤシのアドリブ勝負に負けてふっと笑ってしまうのはレン様も同じだったろうなと思いますし、その笑顔に一体何人が殺されてしまったことだろうかというように、何となく初代の姿が頭をよぎることが多々ありました。

 2代目は、もちろん初代とは違います。けれども、初代と異なる、また新しい魅力を魅せてくださったからこそ、1代目の姿がふと脳内によぎるのです。

 まさに二重の意味で、とても楽しませていただきました。

 

 

 ここまで先代、先代と繰り返すばかりでしたが、それから個人的に一ノ瀬トキヤが好きなのでどうしてもTOKIばかり注目してしまったのですが、今回の舞台、本当に本当に本当に面白かったです。全員が全員、とても魅力的でした。

 

 でもやっぱりまたTOKIの話になるんですけれども、松村龍之介さん演じるTOKIがとてもとてもとても素晴らしくて、TOKIを作り上げてくださったその全ての過程に関わる多方面の方々全員に感謝しかありません。一般人としてはじまることさえも知らないで行ったのですが、まわりがスパイだと明かす中でひとり一般人と言い張るのをみながら、TOKIがジョーカーか…と早めに退出されたものすごいキャラの立っていたキートンを全く気にせず確信していたのですが、コバヤシとキートンがジョーカーで、TOKIは未来有望な新人スパイだとなった時にはお願いだからTOKIがジョーカーであってほしいともはや祈るような気持ちで観ていました。そして、薬を飲んでいないとすっと立ち上がるシーンは夢が叶いすぎて泣きました。そこで幕が下りると思ったので拍手する準備をしていたのですが、そのあとラリーとベガが出てきて、不穏な空気が漂い始めたので、これは、①ラリーとベガもTOKIによって毒を盛られていたために死んでしまう ②TOKIがものすごく華麗に2人を倒してしまう ③TOKIが華麗に殺される の3択を脳内で瞬時に描いて覚悟を決めたのですが、まさか皆生きていて出てきてくれると思っていなかったので、ふつうに驚きました。

 そして、ジョーカーの正体についてのTOKIの深い深い傷と葛藤とが最後に明かされて、また泣きました。

 

 レビューについてもやっぱり知らずに観に行ったので驚いたのですが、TOKI役の方のダンスが恐ろしいほどにきれっきれでかっこよくて、特にイスを使ったダンスは鳥肌が立ちましたし、腕の筋肉が2階からも3階からもくっきりとみえるくらいで、もはや恐ろしくなりました。先代は歌声が人のものとは思えないとよくおもうのですが、2代目の方はダンスと腕が人のものとは思えませんでした。

 

 ひとつずつあげて絶賛したいくらいに、本当に本当に本当に最高の舞台で、観にいってよかったと心から思います。 作り上げてくださった全ての方々に感謝の気持ちでいっぱいです! 素敵な時間を心からありがとうございました。