これやこの

ミーハー

『新・幕末純情伝 FAKE NEWS』感想

『新・幕末純情 FAKE NEWS』 観劇の感想です!

4月末に『JOKER TRAP』を観て、松村さんの演技をもっと観てみたいと思いチケットを取りました。ですので、十分に時間はあったのですが、まず全く予習せずに行きました。やはり1度知ったことを無かったことには出来ないので、それならばまず、まっさらな状態で観て、そしてそのあとに色々と調べて、もう一度観れば良いかなと考えてのことでしたが、そのためか、1回目と2回目では全く感想が異なるものとなりました。たったの2回、また記憶がぶっ飛んでいたり見当違いな見方をしている所も自覚している以上に多々あるとは思うのですが、せっかくなのでの記録です。

 

紀伊国屋ホール

駅に直結なのが嬉しかったし、本屋とつながっているのも嬉しかったです。つかこうへい作品ということで、今回の舞台からその名前をはじめて知ったような私からすると、どのような方なのだろうかと思った時、すぐに関する書籍などを探せるのが素敵だなと思いました。

劇場は、とても雰囲気があり、気分が上がりました笑 劇場については事前に調べて来たので、椅子が固めなのでクッションを、という情報を知ってはいたのですが、クッションとなる脂肪なんて無いような愛らしい華奢な女の子が使うべきなのではないか、自分が使ったら後ろ指さされるのではないかと謎の自意識に悩まされ、使いませんでした。1回目それで全く問題無かったので2回目も同様にクッション無しで座ったところ、信じられないくらいに腰が痛くなりましたので、断言しますが、あのクッションは全人類必須です。

 

◎脚本・演出

と分けてみたけれど、単に全体の感想です。

1回目は、脚本も演出も、全然合わない、と落ち込みました。台詞を早口で詰め込むのに驚きましたが、だんだん心地よくなってきて、それは好きだったのですが、なぜそうなるのか、ということが全く分からず、難しい…! と思いました。ことごとく男臭いノリ、と思ってしまって、ことごとく全員が総司を自分のものにする、自分のために使うことしか考えていないようにみえて、かといって総司に感情移入出来るわけでもなくて…。歌詞入りの歌を殺陣に合わせて流し、台詞をいう時にぐっと音を下げてまたあげてというのもただでさえ台詞が早いのに…と思ってしまいました。などと自分の力量不足を相手のせいにしながらも、後半、もうぼろぼろに泣かされました! 幕が降りたあと、ただ座っていただけなのにぐったりと疲れきってしまうくらい、舞台上からのエネルギーは凄まじく、脳内に焼き付けられ、目を閉じると舞台が思い出されて、その日は全く眠れませんでした。

それで正直、もういいかな、と思ったのですが、Twitterやブログなどでの感想をみると様々な感想があり、その中に、つかこうへい作品は初めてだとなかなか難しい、けれども2回目3回目と重ねると見方が変わってくる…というのを見つけまして、それを信じることにしました。そこで『幕末純情伝』の脚本を読んだり、つかこうへい作品について調べたり、過去の作品の感想を漁ったり、今回の舞台についての感想を様々拝見させていただいたりしているうちに不思議なものでだんだんと楽しみになってきて、そして迎えた2回目、信じられないくらいに、めちゃくちゃに、面白かったです…!!!

完全にこちら側の受け取り方の問題なんですけれども…、わかりやすいように変えられていることがようやくわかったり、ひとりひとりに対する認識が変わったり、また音響はやっぱり個人的な好みではないけれども、がっと上がる音量にのせてこちら側もがっと盛り上がるし、に対しての最後、全くの無音に、役者さんの演技だけでみせきって幕を下ろすのもまた、ひたすらにさすが…と思ったりして、ただもうおそろしくよかったです。

どうしたってエネルギーが爆発せざるを得ない作品じゃないかと思ったのが1回目で、それは凄まじい量の台詞だったり殺陣だったり、そのリズムというかノリのせいで、だからそれを評価するのはなんだか、と、焼き付いて離れない舞台を思いながら夜中、あまりの寝付けなさにイライラしていたのですが、2回目、単純に普通はそれをこなせないし、下手したら完全なる自己満足として、舞台に立つ自分たちだけが気持ち良く終わってしまう危険性、というのを何となく感じて、何様かというはなしですけれども、あらためてその凄さにひれ伏す思いでした。

 

◎個々人への感想

沖田総司/北原里英

この感情はもうふつうに恋、という感じです。まさしくまっことらぶというか、思い出すだけで泣けてしまいます。

北原里英さん、しぬほど可愛いのは存じ上げておりましたが、そんな北原さん演じる沖田総司! 周りの方々が大きいので、対照的に本当にちいさくみえるのですが、そのちいさなお顔に、チワワみたいな…本当に例えがひどいんですけれども…うるうるとしたおおきな目、それをさらにみひらいて、つねにつねに、必死に訴えかける目をしていて、それをみたらもう、わけがわからずとも抱きしめてしまいたくなるし、皆が総司にどうしようもなく惹かれてしまう理由が分かりました。

一人称が、私、僕、俺と変わり、それに合わせて人格も変わるようで、僕の時の総司がひたすらに可愛いんですけれども、本当の総司は、一体どこにいるのかなと思わされます。桂に、男なしでは1日も生きられない(ニュアンス)的なことを言われて、後にそれを自分の言葉として繰り返すのがとても悲しくて、総司はそんなふうに、周りからの言葉で自分を定めてきたわけですよね。自分の体の病気のせいで人々から疎まれるのに、自分の女性としての体は人々から求められて、なのに男として刀を持たされて男として生きるように言われて、人に受け入れられるために、求められるために、押し付けられるものを必死で受け止め与えていく姿は本当にかなしくて、だからこそ最後の菊姫の姿にはもう大号泣してしまいます。決して弱い訳ではなく、自我が無い訳ではないけれども、根っこにあるのは、否定されることへの恐れで、愛されたいというつよい願いがあるわけで。全員との幸せな最後をみたかったけれど、特に、勝海舟との兄と妹としておくる幸せな日々をみたかったです!!!!! 演技とか何だとかじゃなくて単純にもう総司そして演じる北原さんが大好き〜〜〜〜〜〜〜〜〜好き……。

 

坂本龍馬/味方良介

龍馬が出ればもれなく似蔵が出るし総司も登場しちゃうのであまり多くは注目できなかったのですが、汗がすごかったです。皆様だくだくだったけれども、特に。

龍馬がいちばん、よく分からない人でした。会話が噛み合わず、目が見えない上に耳が聞こえない(大号泣ポイント)と思ったらふつうに会話し出した…ということではなくて、決して自分を明かさない…というかんじ。最後の、龍馬は何度でも蘇る…みたいなシーン、初見はまた生き返った…! と思ってしまったのですが、必死で力をかき集めて総司のために立ち上がったんだと2回目にしてようやくわかりました。読解力の無さがやばいんですけれども、最後にすこしだけ弱音を吐くもすぐに飲み込んでしまうところとか、オタクなのですぐに泣きましたし、総司は土方と桂とそれぞれほんとうに触れそうなくらいぎりぎりまで唇を近づけるけれども、2人ともすんでのところでそれを拒否してしまうのに対しての龍馬とのシーンにまた泣きました。

演じる味方良介さん、滑舌がおそろしくて、まるで当たり前のように流れるように、よく通る声で莫大な台詞を話されるのに驚かされました。本当にすごかったです。日替わりネタで、素になって笑った姿になんだかほっとさせられました。ツッコミ面白いです。二宮役の増子さんへ、未来があるというのが最高でした。

 

土方歳三/小松準弥

歴史をよく知らないので、土方ときいて個人的に想起するのは薄桜鬼の土方で、どちらもフィクションなんですけれども、あまりに違うのでびっくりしました。1回目は、総司をビンタする姿に何だこのクズ男…と怒りを覚えたのですが、2回目は、席もあって、総司へ向けるまなざしがよく見えたのですが、それがあんまりにも優しくて、なんだかもうひたすらに悲しくなりました。土方もまた時代に翻弄された1人なんですね。キスできるわけがないとか何とか、それも裏表があったとかじゃないのかなって思って、どうしてもできなかった、そのどうしてもという弱さは、彼の劣等感とも繋がるのかなというかんじがして、もう全員に思うんですけれども、かなしい。

 

桂小五郎/田中涼

個人的にいちばん印象が変わった役です。

演じる田中涼星さんが本当に細くて、足が長くて、1回目観た時は勝手に喉が辛そうに聞こえてしまったのですが、2回目は全然そんなこと無く、莫大な台詞をものすごい勢いで発していました。

お前ら好きだよ(ニュアンス…)の言い方が好きでした。あと、二宮に刀を向けられた時の表情と、総司が斬ったことに絶望して、腹をきろうとするところ。いや、まじか腹を…きっちゃう……? と正直思っていたのですが、2回目はあまりの演技に圧倒されて、これは腹切る…と謎の納得を、というか、簡単に書いてしまうけれども、そのようなことをしようとしてしまうのは当たり前の状態ではできなくて、なのでありえないくらいに、恐ろしいくらいに追い詰められる姿がもう本当にぐしゃぐしゃで、見ていてこわくなりました。あの瞬間は一人残らず、全員が桂をみるシーンだと思うんですけれども、それをじっくりみせきってくださって、何だかもう本当に…すごいです。

かわって日替わりのシーン、とっても面白かったです。日替わりのシーンは、レポなどを読んでも何が何なのか分からないですけれども、その場にいるととにかく訳が分からなくてそれが楽しい。

ある意味で弱くて、けれども弱いからこそしたたかに強く生きていけるのが桂なのだなあと思いました。

 

・二宮/増子敦貴

今までに増してさらにひどい感想ですけれども、単純にもう可愛らしかった。すごく気持ち悪いことをいうと、肌がお風呂上がりの赤ちゃんみたいにとぅるんとぅるんでまっしろで加工アプリ…じゃない現実…と驚きました。あれは若さゆえなのか何なのか…恐ろしい。2回しかみれていない日替わりですが、自由度がかなり高まっていて、楽しかったです。

役に対しては、分かる! と勝手に共感していました。総司へ、どこかでか弱い理想を抱いてしまう感じ。愛らしい二宮の造形が、桂に対峙した瞬間にがっと憎しみ全開に変わるギャップが凄かったです。

 

・岡田似蔵/松村龍之介

全世界に感謝しました。

松村さんが岡田似蔵を演じる世界に感謝です。

作中、悪い人とか良い人だとかのように、単純に割り切れない人ばかりですが、似蔵は一見、唯一の良心にみえて、けれども単純に良い人という訳では無いのが魅力的でした。

また、後ろの席から観ても前の席から観ても、似蔵はどちらも楽しかったのも良かったです。後ろの席だと、似蔵の、龍馬を慕う影のような、舞台ならではの独特の動き、重力を感じさせない人間離れした動きがよくみえて、恐ろしい殺陣が美しくみえて、最高でした。桂の刀を蹴りあげるのも、いきなりぴたりと止まって相手の動きを静かに止めるのも、後ろの席からだとよく見えます。前からだと、細かい表情の演技がみえて、じっと動かない時の目線の演技から、台詞を発するまでの震え、したたりおちる汗まで見えます。舞台をがっと掴むのも見えます。ぴたりと止まる事のできるほどの筋肉、静に対しての動の筋肉、その凄まじさもよく分かります。どちらもどちらでものすごく良くて、本当に最高でした。

また、松村さんのダンスがとても好きなので、ちょっとでもみれて嬉しすぎて泣きましたし殺陣が1番美しくて泣きましたし言葉遣いがしっくりきすぎて泣きました。

似蔵の、総司への想いは、一体何なんだろうといまだ良く分からずにいます。総司を守ろうとして兄は殺され、自身も怪我を負ったのに、逆恨みもせず、他の人のように女性として体を求めることもない。けれども師と崇める龍馬が総司へ想いをむけていると知れば何とか成就させようと奔走する。それは、総司の思いを本当に大切な意味ではそうではないけれども、ある意味では無視することになるとも思えます。龍馬に対して、絶対的に信じ仕えたり(間違ってると思ったことは、大好きだけれどもと前置きして止めにかかるけれども)彼の中の女性像がものすごく綺麗なものであることを踏まえると、似蔵は本当に愛の人だけれども、その愛はどこか愚純な優しさだなあと思いました。もちろん総司を幼い頃から知っているからこそ兄のような気持ちで抱く愛情や、疎まれる姿に自分を重ねて感じる憐憫、女の子なのに人を斬るための刀を持たされることへの怒りなど、色々なものが混じっているとは思うのですが、あそこまで信じ続けられるのは、どこか、出生や病気もあり、自分は自分である限り幸せになれないんだと自分を除外しているようにもみえて、そんなことなく似蔵にはとにかく幸せになってほしかったです。似蔵にとっての幸せが、向けられた刀を素手で握って自分に刺して、その体で銃を受け止め、暗闇に倒れることなんて思いたくないですけれども、その姿は総司を守るために命を落とした兄とも重なって、とりあえず死ぬほど泣けます。みんな泣けるけどめっちゃ泣けます。

 

勝海舟/細貝圭

全員に思いましたが特におそろしくすごい役者さんだと思いました。

発声だけでなく生まれつきの声質もあるのかなと思うのですが、1回目は声のばらつきが気になって、細貝さんめっちゃよく通る…と思っていたところ、2回目は前の席だったこともあり、皆様のお声がビリビリと響き、特に土方などは役柄もあり常に100パーセントの発声、みたいな感じでした。対して、味方さんもなのですが、はじめ細貝さんは80パーセントくらい、もちろんよく通りますが、それくらいの圧に感じたのですが、その後の本気の圧はもう恐ろしくやばかったです。また、YouTubeに上がっている動画にもありますが、言い回しが独特な所があり、その言い方がもうたまらないくらいに大好きでした。他の演技をぜひ観てみたいような、勝海舟の演技があまりに好きすぎたので観るのが怖いような、そんな気持ちですが、機会があればぜひ観たいと思いました。

 

◎お見送り会

初めての体験だったのでの記録ですけれども私自身の自意識をなめていたという虚無の記録です。こんなにもひどい人間もいるのだという励ましになれればと思い友人に話したらあまりにひどすぎて普通に引かれました。

2回目の日がお見送りありの日で、その中には松村さんと細貝さんがいらっしゃいまして、近くで拝見できるなんて嬉しいと楽しみにしていましたが、お見送りの列に並んでいると、役者さんが階段の下に並んでいるのが見えまして、その瞬間、こちらが見れるということはあちらからも見れるのだという当たり前のことに気づきまして、無理だと思ったんですけれども、驚く程に遅いですね。

そして階段を降りながら、このまま俯いたまま通り過ぎてしまえることに気づいてそうしかけたのですが、いやでも、と勇気をだして見上げたら松村さんが立っていらっしゃり、その瞬間に思ったのは、美しいとかかっこいいとかそんなことではなくて、今すぐこの世から消え去りたいということでした。一刻も早く消え去りたいと早足で床を見ながら通り抜けて劇場を出て駅のホームでようやく、他の方々のお顔を拝見していないことに気づき、虚無感に襲われました。虚無です。私は何百万人と流れていくうちの1人とはいえ、役者さんが舞台を終えて何もかも出し切った体に鞭打って立っていてくださるのに、お辞儀ひとつもせず俯いて通り過ぎていくなどとは、あまりにもひどすぎるし、それならば参加せずに帰ってわずか数秒でも省略すれば良かったのです。虚無。

 

舞台は、観にいって本当に良かったです…! 皆様が命を捧げて舞台が出来ているのだと心から思いました。熱に当てられて、浮かされて、やはりあれから眠れない日々を過ごしてはいるのですが、それくらい本当に、本当に良かったです。関わるすべての方々に感謝です! まだまだ舞台は続いているので、あの暑さに負けずに、何よりお体に気をつけて、無事に千秋楽を迎えられますよう祈っています!

『SHINING REVUE』感想

 

本当に申し訳ないのですが、『JOKER TRAP』の他は観れていません。また、全く舞台を観ない人生を送ってきましたので、役者さんについても存じ上げない方ばかりというにんげんが、ひとつの席を埋めてしまっても良いのだろうか、と思いつつも、一般販売に丸印がついていたのでチケットを買いまして行ってきましたの感想です。2階席より、レポではなく感想の殴り書きになります。

 

日本青年館

  舞台を観に行く経験をほとんどしてこなかったので、劇場の良し悪しも比較が出来ず分からないのですが、個人的には快適に過ごせました。 2階席は全体がかなり前に乗り出しているので、想像していたより舞台は近く見えましたし、段差もかなりある上に座席自体高いので、前の人が前かがみになってもしっかりと舞台は見えました。座席と座席のあいだも広めだと思います。ふつうに座り心地は良く、腰も痛くなりませんでした。とてもすてきでした。

 

トークコーナー

 あいうえお作文で舞踏会へ誘う。ほかの人は点数をつける。点数の低いひとが罰ゲーム。というのがざっくりの内容です。

 役者さんへのものすごい信頼または期待をひしひしと感じました。

 あいうえお作文は、まず客席まで行って用紙を取ってくるのですが、そこでまず時間をとられるうえに、司会の方がいちいちくじをひいて誰の番かを発表するので、そこでまたみなさまがリアクションを取るために時間がとられますし、封を開いて文字を発表して作文からのリアクションからの点数付けからのリアクション、と、全てにおいて時間がかかります。サクサク勧められるようなゲーム、例えば早押しクイズのようなものでは無いわけで、それを×8人となると、当然、だるだるになってしまう恐れがあります。そのため、このように時間がとられてしまうものは、グループにわけてその代表者に競わせる形にし、かわりにいくつかのゲームの数をこなしていくことで全員にまわしていくのが一般的なのではないかなと思います。

 けれども、『SHINING REVUE』では、8人全員がやりきったわけです。それはもうまるでアメトーーークの立ちトークのような、あれを観る度に感動してしまうんですけれども、それくらい、彼らは観客を絶対に楽しませられる満足させられるのだという信頼また期待を感じました。

 すこし具体的に名前をあげてしまえば(お名前と役名は一致のレベルです)TOKIを演じられた松村さんの番から、マイナスシステムが導入されたのをはじめとして、他の共演者の方のTwitterなどをみてなんとなく想像していた『JOKER TRAP』の出演者の方々の立ち位置とは異なる関係性がみえて、面白いと思いました。RAN役の小波津さんは場をしっかりとまとめる先輩なのだと思っていましたし、役柄もあり演技という面からは小波津さんと松村さんが引っ張っていっているのかと思っていたので、トークの場面で菊池さんと高本さんが積極的に盛り上げ、引っ張りあげていく姿に対し、松村さんが笑いすぎて死にそうになっていたり、ぴょんぴょんはねていたり、長い足をなげだしてしょんぼりしていたり、小波津さんが外さないけれどもがっついてはいかないところなどをみることができて、面白いなあと思いました。んぽうについては一生忘れません。

 シーノ役の田川さんはものすごく独特な方で、キャラが立っていて素晴らしかったの一言に尽きるんですけれども、もう大好きになりました。翔ノ助役の植田さんはほかのキャストさんから先輩先輩と持ち上げられていたのですが、まさしく先輩として落とすところはしっかりと落としてまとめていた姿が印象的で、植田さんが話し出すと安心しました。

 罰ゲームについて。あのような罰ゲームは個人的にはあまり好きではないのですが、さすがだな、すごいな…と素直に思いました。相手を選んで指定されたシチュエーションで告白するというゲームだったのですが、そのゲームではアドリブ力というか対応力などが求められ露見してしまうと同時に、役者さんなので演技力の差が明らかになるわけです。(といいつつ、演技のことが全くわからず、ひたすらにすごい…としか思えない人間なのですが、きっとわかる人にはわかるのだろうなという意味で)

小澤さん→松村さん、田川さん→植田さん、小波津さん→高本さん、の順でした。

はじめは女性相手への告白という設定でしたので、松村さんは女性らしく振舞っていました。それは確か手を胸の前で軽く握るような…ぐらいのそれだったのですが、宝塚の方なのかなと思わさせられるほどの女性の麗しさが溢れかえっていて、そして横顔が美しすぎて、世界レベルの芸術品でした。そんな女性を演じる松村さんに対して、小澤さんはふつうに松村さん(男性)に対しての告白をしたので、じゃあもうそれで、というような流れに、の一言、に、少し引っかかったのですがそれは置いておいて、小澤さんは完璧だなと思いました。

次の田川さんと植田さんですが、ここでようやく、もしかして先代を意識して相手を指名しているのかな、と気づいたので、那月と翔くんの姿を探してしまいましたことを懺悔いたします。ただ、それまでのふわふわと宇宙まで飛んでいくような田川さん、軽く腰をかがめた上で片足を組むという筋肉頑張りますな姿勢をとりながら抑えつつも出てしまうような笑みを口元にうかべる植田さん、の、身長差…とか、植ちゃん、とスイッチを入れた声ではじめた田川さんへの答えがあ、それでいくのね、のような地声であることとか、が、なんだかもう、ショウクン…ナツキ…というきもちになってしまいました。植田さんの返しがものすごく上手だなあと思いまして、ただ受け止めるのでなく、返してさらに進めていく、その先の道を示す、そしてそれを受けてごくごく自然に大胆にそれを超えて踏み込んでいく田川さん、おふたり、ほんとうにほんとうに素敵でした。

最後に、高本さん。銭湯というシチュエーションをうけて、ずっと頭を洗っているのをみて、どうかなんとか頑張ってください、と応援したいきもちになりました。小波津さんがじっと見てためるのを、沈黙を恐れずきちんとみせられる方ですごいなあと思っていたのですが、やはりその間も高本さんがずっと頭を洗っているので、はやくお声を…どうか…! とはらはらしました。面白かったです。

 

◎レビューショー

*マスカレイドミラージュ

映像のみときいて残念に思っていたのですが、その映像がものすごくて、満足どころじゃなく過剰摂取で死んでしまうのではないかと思うくらい感動しました。

私は特に、MVに心奪われたのですが、あのMVはなにかの特典などになっているのでしょうか。なんとしてもあと100億回はみなければと思います。いちいち停止してひとつひとつ見尽くさなければ気が済みません。それぐらいに細かく、丁寧に作り込まれていることを感じました。白状すれば、マスミラ…というかレイジーの二次創作を以前、漁りに漁っていたので、ほんとうにほんとうにほんとうに、ほんとうに、先代、そして今回2代目の方が新しく魅せてくださったレイジー、やばすぎる好きすぎる…という気持ちで涙しました。記憶がぽんぽん飛んでいるので具体的ではないのですが、MVのなかのどこかのレイジーの瞳! 表情! がたまらなく、例えるなら、目の前にいるのにそんな自分をみていない、もっと遠く、どこか遠くをながめているような…その奥底に何があるのか分からず、瞳に哀しさを探そうとするけれども何も映らない…いってみれば虚しい瞳、真空、そして深い深いチョコレート色の瞳…乾杯🥂🥂

沈黙、は、中身があるので、適切かどうか分かりませんが物を言わないあの! あの何も無い瞳! それはずっとずっと夢見ていたレイジーの瞳でした。

 

*天下無敵の忍び道

お恥ずかしながら、キャパを超えてしまったので、その中で覚えているのは、おかあさんといっしょだ…と思ったこと、そしてスクリーンに映った3人の笑顔をみて、世界平和について思いを馳せたことだけという有様です。

 

*JOKER TRAP

舞台を観ない人間なので、このような素敵な役者さん達を拝めることはもう無いだろう、偏ることなく全て見尽くさなければと思っていたのですが、TOKIばかりおいかけてしまいました。

『JOKER TRAP』東京公演を2階3階からすこし観たのみですが、それでも明らかにそのときと違っていて、舞台を観た時はTOKIを観ようという意志を持っていたのですが、今回は抗えないというか、どうしてもずっとずっとおいかけてしまいました。もちろんそれは松村さん演じるTOKIの魅力を知ってしまったからという私自身の変化もありますが、それよりも、松村さんの変化がものすごかったことが理由としては強いんじゃないかなと思います。

ダンスについて、全く分からないのですが、振りが大きく変わったということはきっと無かったはずです。もちろんやたらマントの裾をつかんでひらひらしたり体に巻き付けたりしていたことや、マッチョッチョのポーズの振りをはじめとした謎の振りは気になりました。ですが、そのような振りの変化ではなく、率直に言ってしまうと、色気が、信じられないくらいやばくなっていました。

特に記憶に残っているのは、ほかの方が歌っている時、階段に腰掛けてリズムに合わせて体をゆらす姿です。言葉を知らなすぎてすこしもそれを表せられないのですが、その姿は信じられないくらいにかっこよくて、かっこよすぎて、それはもう禁止事項なのではないかと思いました。なぜなら、スポットライトは別の方に当たっているからです。完全な他人の見せ場を、光の当たらない場所で目が離せないくらいかっこいい姿で視線をさらってしまうなんて、と思ったからです。もし何かの拍子に、ふいにそちらを見てしまったらもうおしまいになるからです。けれども、そのように他人の見せ場であったとしても自分をみている人がいることを知っていて、そして常に魅せることを忘れない姿が、心の底からかっこいいと思いました。

ステージに立つ全員が気を抜くなんてことはしないことは分かります。常に魅せる努力を惜しまないことも分かります。それは普通ではないことも分かります。けれど、お金を払って観に行く観客がいるとなると、それは至極当然のことになります。なので、それをいかに自分のうちのみにとどめることをせず、客席まで、それも前列だけでなく、後列まで届けられるかというのかが問題で、そしてそれは、とっても難しいことだろうなと思うのです。気持ちだけではどうしようもないことだなと思います。

TOKIを演じる松村さんは、そういう意味で常に美しく、たとえば、ダンスのフォーメーションを変える移動のひとつをとっても麗しく、完璧でした。常にパーフェクトなTOKIでありつづけてくださいました。松村さんの演じるTOKIが大好きです。そしてそのTOKIを作り上げてくださった全ての方々、そしてこの世界へ、感謝を捧げます。

欲を言えば、今回は歌いながら踊る…という信じられないほど難しいことをされていたので、次はぜひ、踊りのみにすべての力を注いでいただけるようなものをみれたら、とてもとても嬉しいです! すべてこめたダンスをもっともっとみてみたいです。

 

 

◎挨拶

挨拶って、難しいと強く思ったので少しだけ。

たぶん、最後の挨拶という場で、語ろう思えばいくらでも語れてしまうと思いますが、時間もあるし、後ろの方もいるし、何を言うか、どう言うか、ひどく悩ましいのがこの挨拶ときいたことがあります。Twitterやブログなど、きちんとした言葉を残す場も用意されている訳ですから、生の声で生の言葉で何を言うか。そしてこのような楽しいイベント、かつ、最後と名の打つイベントでは、何を言うのだろうと楽しみにしていました。

面白いことに覚えてきた台詞を棒読みするような挨拶をされる方もいらっしゃり、それはそれで印象的だったのですが、一番楽しみにしていた松村さんはこの場を借りて、と前置きして感謝の言葉を述べていました。それはもう信じられないくらいに人間の出来た方だと思いましたが、その内容(言葉選び)ではなく声の出し方や話し方に対して、あくまで個人的に、この方はTOKIを演じる際にみせてくれたように常に完全に「松村龍之介」という人間を魅せようとすることはしないのだなという感想をもちました。それは当たり前のことですが改めて、役と本人とが全く異なることを思い、不思議な気持ちになりました。

最も印象に残っているのは、セシル丸を演じた横井翔二郎さんです。横井さんについては、トークだったりライブではあまり注意してみてはいなかったのですが、最後の挨拶で、ニュアンスですが劇団シャイニングの作品を人生を変えた作品だと言ってくださり、その姿と名前とが強く記憶に刻まれました。その言葉の重みを〜と受け止めた植田さんの言葉もまた印象深く、さすが「先輩」と思いましたし、小澤さんはこの作品に携わる上でのプレッシャーについてすこしだけお話してくださいましたが、そのようなことも含めて、役者という役についてもう完璧にみせかたを知っているのだと勝手に感じたように(またはアイドル的なみせかたを自分のものとしているんだなあと思いました)挨拶は、見せ場のひとつなのだなあと改めて強く感じました。

 

 

◎シアターシャイニング

また新しく情報が解禁され、とても嬉しく思いました。今度は、できる限り観たいなと思います。

一ノ瀬トキヤのミーハーですが、作品としては『エヴリィBuddy!』が一番好きで、トキヤが出演している『ポラリス』についてははあまりのしんどさに1度しか観れていないのですが、この機会に必ずみなおそうと思いつつ、テーマソングばかり聴いています。

新しくどのような世界を舞台上でみせてくださるのか、楽しみにしています!

 

『劇団シャイニング』、全ての携わられた方に感謝です! 素敵な時間をありがとうございました!

 

 

 

 

『しゃばけ』参〜ねこのばば〜 感想

 『しゃばけ』参〜ねこのばば〜を観ましたの感想…といっても観たのは5月はじめで、原作も読んでいないこともあり、あらすじをしっかりと追いかけたり役者さんの細かい演技などについてコメントをしたりもできないのですが、この感動はやっぱりどこかに残しておきたいなと思い、のひとりよがりの書き殴りです。

 

 感想は、もうひたすらに楽しかった!!! 面白かった!!!! につきます。

 私は作品を観たり読んだりするとすぐ泣いてしまうのですが、逆になかなか笑うことができなくて、面白いことが起きていることは分かるのに、かえって白けた気持ちになってしまうことがあります。

 けれど、「しゃばけ」はそんな自分でさえ、笑いすぎて気持ち悪くなるくらい面白かったです。とてもとても楽しくて、本当に幸せな気持ちになれて、観にいって良かった! と心から思いました。

 

 脚本…は原作を知らないので、比べてこうでしたなどは当然言えないのですが、楽しいからはじまり、どんどんと笑いがヒートアップしていく(間延びした笑いが一切ない)流れが最高でした。

 ちょくちょく気になる伏線は挟んでくるし、佐助からの手紙だったり仁吉の若旦那への想いだったりとぐっとくるシーンも挟んでくるし、また若旦那が倒れてしまったりもするのですが、そこで重苦しくせず、軽々しくお姫様抱っこしたりされたりしているのも好きだなあと思いました。

 そんなふうに散々笑わせておいて、幸せな気持ちにしておいて、だからこそ明かされた事件の真相はあんまりにもかなしすぎました。そして私自身、ちょうど似たような経験をしたので、それと重ねてしまい、悲しみと同時に痛みを感じるくらいの怒りを感じました。

 寛朝さんの言葉に跪く2人をみても、とてもとてもやるせなくて、そんな気持ちで観ていたらまた楽しいシーンがはじまって、切り替えができずに戸惑っていたのですが、またいつの間にかその楽しいのエネルギーに巻き込まれていて笑っているうちに、身体中でぐっとためていた怒りがいつの間にか無くなっていました。そのあと若旦那と仁吉さんのしんみりした良い感じのシーンが挟まれて、ああこれで終わりかな…とすこし寂しく思ったところにまたバーン! と楽しいのがはじまり、楽しい!!!! 好き!!!! 幸せ!!!!! という気持ちが爆発して舞台が終わったのですが、何だか、本当に本当に救われたなあと思います。

 秋英さんも、寛朝さんも、2人のことで、深い深い傷を負ったろうと思いますが、秋英さんにとって彼らは共に厳しい修行に励む大切な仲間であり、自分のちょっとした異変にも気づいて励ましてくれる優しい先輩であり、もう絶対に疑いたくなかっただろうし、信じたくもなかったろうし、どうしたら良いのか、本当に分からくなってしまった、だからこそ、自分は本当にきよいのかと問い続け、悩み続けていたのかなと思います。厳しい言葉をかけた寛朝さんにとっても、本当に本当に辛かったことでしょう。大切に育ててきた、まるで息子のように思うこともあっただろう2人が、そこまで罪を犯してしまい、最も悪いことに悔い改めることをしようとしない態度をみて、自分自身を責める思いもあったかもしれません。けれど、秋英さんと寛朝さんのそのような思いを思いっきり描くのではなく、ぐっと堪え、受け入れ、その先へ進む2人の姿を、引きずらずにすっと描いてくれて、そしてまた笑わせてくれたことに、本当に救われました。笑うと力がぬけて、幸せな気持ちになれて、怒りって本当に苦しくて、体が固まっちゃうんだなってわかりました。

 

 

 演出について、も、よく分からないなりにですが、好きでした! 劇場が小さいこともあると思うのですが、舞台と客席の距離がとても近くて、ものすごい勢いで客降りするし、客席のあいだを通ろうとするし(怒るし)で、すごかったです。

 役者さんが舞台を降りるのはあまり好きじゃなかったのですが、確かに舞台上だけでは空間が限られている上に、いかに客を惹き付けるか、いかにこのあいだの壁を壊してこちら側の世界に引き込むかという話だとは思うんですけれども、自分が慣れていないこともあって、逆に役者さんが演じている役、を観ている客席に座る私たち、みたいなことを自覚してしまうため、嫌だなあと思っていたはずなのに。今回は何だかすごく好きだなあと思えて、なぜかな? と考えてのふたつの理由、の、まずひとつは絶対にお客さんひとりひとり、もう全員を楽しませる! という気概の現れだと感じたことと、役割がはっきりしていたからかな、とおもいます。

 プレミアム席がフラットな床の席だったので、いくらみんな座っているとはいえ、舞台もそんなに高いわけではないし、舞台上で座られたり寝転ばられたりしたら見えないこともあるだろうし、前の人と被って見えにくいということもあったと思います。そういうのって、わりとストレスになりますよね。でも、ものすごい勢いで客席をつかうことが、そのフラストレーションを解消してくれたのかな、なんて思いました。近くで見えることだけに価値がある訳じゃないとしても、やっぱり近くで見えたら嬉しいじゃないですか。そういう意味でも、絶対絶対絶対に楽しませる!!! 満足させる!!! という感じがして、そっか、客降りって、そのためにあるんだ、と勝手にすとんと落ち着きました。

 もうひとつ、役割がハッキリしていたというのは、確か若旦那は舞台から降りなかったんですよね。それが好きでした。みんなみんな降りるんじゃなく、まず屏風のぞきと守狐という楽しい担当の御二方がよく降りてくるのが、確かににんげんじゃないしこの壁を乗り越えちゃうよねって思うし、若旦那の手足…とまではいかないかもだけれど、体の弱い若旦那のかわりに走り回るふたりは、舞台を飛び越えちゃうよね、どこまでも行っちゃうよねっておもいます。けれど、お仕えして、絶対に守るっていう立場の仁吉さんは、若旦那のそばは離れずに見守るたろうから、そうそうは降りないし、みたいな…。

 この役割の別れ具合は、日替わりのシーンでもおもいまして、そりゃあもう若旦那とか仁吉さんとか秋英さんとか寛朝とかの日替わりだってみたいし絶対絶対絶対楽しいけど、楽しいだろうな…みたいな…と思うけれど、でも、でもそこで出てくるのは、何だか違う。苦手なものが多すぎるしそしてそれをしゃばけで解消されすぎてるんですが、個人的に、アドリブが苦手です。なぜかというと客降りと同じく、演じている役者さんの存在を感じてしまって、舞台上の物語にひきこまれていたのが一気に現実に引き戻されてしまうようで、もちろん役のまま皆様アドリブされるけれど、でもなあ…と思うことがあって。やっぱり、たくさん繰り返されてきたセリフとは異なる響きには反応してしまいます。

 日替わりでは、一応役名を言ったりにゃんにゃんとはするけども、役のスイッチは1回オフ、とハッキリしていました。だからそこで主役と仁吉さんたちみたいな役がスイッチを切ってはっちゃけられてしまったらやっぱり、??となるので、良かったな、と思います。そして日替わりが終わって、屏風のぞきと守狐が階段を上って、の、第一声で、すっと空気が変わって、完全に屏風覗きと守狐になっていて、っていう安心感も半端なかったです。

 

 舞台装置も、とても好きでした。大きな階段のようなものが場所を占めていて、これで固定なのかなと思いきや、それもぐるぐる回すのに驚きましたが、その転換さえも綺麗で素敵でした。

 あと、あの襖のような障子のようなもの。ものすごく多様に使い回されていて楽しかったです。最初は、扉か〜と思っていたら、犯人を推理するための枠に使ったり、シルエットを映すために使ったり、楽しすぎました。舞台ってかんじがして。

 

 

 というわけで、それぞれ役への感想。役者さんはよく知らないので、キャラクターの感想です。

 

若旦那(一太郎

 しつれいを承知で、お姫様(イケメン)だ…と思いました。昔、母に本屋に連れられていったとき、しゃばけを買ってほしいとねだった記憶があります。諸事情あって買ってもらえなかったし、自分で買えるようになっても読むこともなかったのですが、その時読んだあらすじと表紙の印象のみから、若旦那は色白でふくふくしていてのんびりしている体の弱い人だと勝手に認識していたので、色白で細くて体が弱くて衣装もあって桜の木の下で微笑んでほしいくらい儚くみえるのに意思が強くて頭がきれて自分が動きたがりなお姫様だと知りました。可愛い。そりゃもうお外に出したくない気持ちはよく分かるだって日光浴びたら死にそうなくらい白いし細い。可愛すぎてそしてかっこいいんですけれどもそのかっこよさがまた可愛い、みたいな。はじめのほう、めって顔をしたのがすごく可愛くて、え? 可愛い…え、何今の可愛い…えええ可愛い………からはじまり、布団に寝かされるのも可愛い。布団を抜けるのも可愛い。お姫様抱っこされてお足をばたばたさせるのも可愛いしオタクホイホイすぎるし可愛い。縄で縛られてはやくほどいてって言ってるのも可愛い。仁吉に自分を離れて自由になって欲しいみたいなことを言うのも可愛い。このシーンで、角度的に仁吉さんの背中、と、そのむこうの若旦那の顔をおがめたのですが、何このアングル最高…っておもってました。可愛い。

 本当に可愛いしか感想が…。はじめはだいぶ声を高く出そうと頑張ってるのかなという違和感をもったのですが、だんだんそれも忘れてええ可愛い〜〜〜〜と脳内で叫んでいたので、舞台が終わったあとの役を解いた第一声に驚きました。役者さんって本当にすごいですね。同じ顔同じ衣装なのに、もう若旦那はいなくて、誰!? と驚いてしまいました。とっても不思議な感覚でした。若旦那を解いたあとは、なんだか落語家さんみたくおもいました。

 

仁吉

 すんって澄ました顔して踊っているのがとてもとても可愛かったのですが、もう全人類が仁吉さんのことを好きだし私も人類の1人として仁吉さんのことがすきですという気持ちです。

 ひたすらにかっこいいんですが、単にかっこいいという言葉であらわせるものだけじゃなくて、ものすごい美しさとあとやっぱり畏れ多いかんじがものすごかったです。人当たりが良いけれど、どこか近寄り難いかんじ。

 若旦那とはどういう関係なのか、前作を知らないので完全には分からなかったのですが、前に立って若旦那を守ることもあれば、大切な時には1歩引いて若旦那をたてることもあるのが、素敵でした。素敵な関係すぎました。仁吉さんが何歳なのか…何となく言っていた気がしますが忘れてしまったのですが、とにかく若旦那に比べたらものすごい長い時間を生きていて、かつ、若旦那を幼い頃から知っているわけで、その上でそれが出来るって本当にすごいなあと思います。若旦那に仕える、その先に何か報酬を得ることを目的としてではなく、もうただお守りすること、仕えることを、若旦那からほかの選択肢を言われてもああやって選ぶことに、わたしは数歳の差をこんなにも気にしているのに…と恥ずかしくなりました。

 あと、黒い衣装と白い肌っていうのが、もう本当に素晴らしかったです。

 

屏風のぞき

 衣装の紫のヒラヒラが可愛くて、ド派手な赤とあのメイクが大好きでした…。

 日替わりのお題 エロ のダンス、本気で色気が半端なくて息が止まりました。その上で最後は笑わせてくるの、反則すぎる。すごい。

 すごい気持ち悪い話すれば、唇をさっとなめていたのもまた色気がすごすぎて、苦手人間、リップを塗ってんぱってするのも嫌なんですけど、えろいなってみてしまいました。あとすごく良いかおりがして、洗剤の、みたいな。わたしはそういうことを言うのが夢だったので、夢が叶いました。

 そして、もういっぱいいっぱい、笑わせてもらいました。守狐とのセリフの掛け合いのテンポとか、動きとか、ものすごく疲れるだろうな…という思いがよぎってりしましたが、計算し尽くされて練習し尽くされた感がものすごくて、だから安心してみれたし、安心して笑えました。

 例の事件のシーンのあたり、たしか妖と人間は〜みたいなことを妖勢が歌うんですけれども、こんなに楽しくワイワイしてるのに、やっぱり違うんだ線引きをされてしまうんだと、かなしいような、おそろしいような、まあ人間同士でもよく分からない、のが、事件の真相でしたわけですけれども思って、特に真っ赤なド派手な方を見て思いました。

 

守狐

 ご本人を見上げた時ほんとう狐…って思ったけどあとからお写真みたらリスみたいな顔してるなあっておもいました。顔の話。

 舞台が始まる前、客席に登場して驚きました。まずそこからとても距離が近くて、そのようにぐっと惹き付ける役をたくさんしてくださっていて、とても素敵でした。

 かかとをあげて、すこし腰をひくくして、と、たいへんな姿勢だろうにずっとそうやっていたりとか、最後の挨拶、手まで役のままだったり、そういうのにふと気付かされて、素敵だなあと思いました。

屏風のぞきと合わせてですけれども、掛け合いが本当に面白かったです!

 

秋英

 にこにこしていて、まさに聖人っていうかんじの方でした。登場して、動きのひとつひとつにみとれてしまったのですが、そのときに若旦那が仁吉さんかが何か言って(忘れた)、たぶん、育ちが良いみたいな、だから所作が美しいみたいなことになったと思うんですけれども、だからか〜〜〜〜〜〜〜めっちゃ美しいんだそうだそれってなりました。普段の多くはその逆がおおい印象…適切な例えではないですけれど、少女漫画の主人公の垢抜けない女の子、どうしても可愛い…のに、周りからの言葉でこの子は垢抜けない子なんだと認識するルール、じゃなく、本当に本当に動きが綺麗でした。あと歌声が…にこにこしたまますごく柔らかく歌い上げていて、聞き惚れました。

 

寛朝

 マンガの中のキャラクターみたいで、悪いひと…にみせかけて良い人で、だけれども悪い顔がとても様になっていましたし、笑顔があたたかくて素敵な方でした。

 目を閉じて座っていた時、呼びかけられて、片目と片眉をぐっとあげるのがものすごくマンガちっくで、印象に残っています。

 そして、本当に客降りが多かったし、ファンサとは違うけれどもひとりひとりと客との距離が近いしという特徴と、座席の位置もあって、楽しく踊って歌ってパッて時などはもうパッパッパッで今何が起きたのか?? 状態だったんですが、目の前に立っていた寛朝さんをみあげたら気づいてくれてにこってパッてしてくださったのが、まさか寛朝さん、と本当に嬉しくてそして恐れ多くて自分が孫代表の寺田心くんだったら良かったのにと思いました。自分の話。

 

ねこまた

 今回しゃばけを観にいこうと決めたのは、『JOKER TRAP』でTOKIを演じられた松村龍之介さんが日替わりで登場されると知ったからで、ほかの演技も観てみたいと当日券で入ったのですが、こんな自分がひとつの席を埋めてしまって、よかったのだろうか…という気持ちになりました。

 はじまりのアナウンスでにゃあにゃあ言ってていたのに、まず、??? となりました。

 そして登場が、舞台の上の上の上からなんですけれども、猫耳つけて、オレンジ色のド派手な衣装をつけて、しっぽをつけて、高いところで自由に楽しそうに踊るんですけれど、それが何だかもう、ほんとうに、良いのか…こんなに良いものを私などが見てしまって良いのか…??????? と跪きたくなりました。

 オタクなので、本当にすみません……あの……猫耳〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!! やばくないですか? それともやばくないんですか? けっこうしっかり、髪の毛の一部ですよみたいなしっかりした猫耳で、え?????????????? 安っぽくないガチすぎる好きしっぽ二つに分かれていて好き待ってしっぽ生えてる好き待って衣装やば…好き……メイクやば……目元に紅…………………何このオタクの夢を詰め込んだねこまた、えっすき…えっすき!!!!!!!!! となりました。

 登場してマジ卍って言ってた気がするのですが、以前その言葉を初めて聞いた時は、もう日本やばいな…ってなってたし中高生のごくごく一部を真似する大きなお兄さんお姉さん同世代をみてもう日本だめだ…って思ってたしそしてその時代も終わったというのになのにもうその瞬間、マジ卍!!!!!!!!!!!! って叫びたくなりましたしはい流行語大賞おめでとう!!!!!って気持ちになりました。松村龍之介さんのことはTOKI役の方だった以外本当によく知らなかったのですが、それぐらい、登場の仕方と衣装とメイクとにゃあがオタクを殺しにきすぎていてわたしは信じられないくらいミーハーなオタクなのでねこまたに堕ちました。

 日替わりでビニール袋を取り出したとき、なぜかコンビニ!!!!!! と思い、コンビニに行くんだ!!!!!!!! 生きてる!!!!!!! と感動しました。いや、コンビニの袋かも分からないし、コンビニに行かないのかもしれないし、生きてるのか? って話なんですけど、生きて、ましたね〜。たぶん…。まえに好きな声優さんがラジオで自分だって生きてるって言ってたんですけど、そっかそういうことか〜って思いました。生きてるんだ。

 ひとりずつくじをひいていくんですけど、ひいた人じゃなくねこまたがお題を読むので、そしてそのお題がぴったりすぎて綺麗すぎたので、どこまで稽古の中で決めているのかも知らないですけれども、もしかして、当ててったのかな〜なんて思いました。

 好きだなあと思ったのは、私の記憶の中ではですが、みんなにひかせたあと、ほらお前もやるんだぞみたいなことを言われて、あ、はいそれは、ってサラッと流していたところ。え〜〜〜まじすかやるんすか〜とか、え? 何言ってるんすか? とかじゃなく、はい、って、え、ウケ狙ってなさすぎて好きだなあといいなあと思いました。さすがに自分でお題を考えていただけあって、人生というテーマのダンス、めちゃくちゃまとまってたのも良きでした。

  舞台終わってからのちょっとのトークは、若旦那の方とはちがって魔法が解けた! とはならなかったのは猫又だったからだとはおもうのですが、あのアイディアは若旦那の役者さんからいただいて…的なことを話していて、すごく真面目で謙遜な方だな…と思ったのですがやっぱりこう、猫耳………………………………………というか猫耳はやっぱりいいし目元の赤色それからオレンジのド派手でポップな衣装あと猫耳……………………………………としか考えられなくなってしまったのであまりよく覚えてません。

 

 

 まとめ。本当に楽しかったです…………………………もっとみたかった! もし次があれば絶対また観にいきたいですし、その時は1回だけじゃなく、複数みたいなあと思います!!! けれどまずは今回、本当に本当に観にいって良かったです!

 妖と人がどれだけ近くてもやっぱり異なる存在なのだなあということを感じましたが、人間同士もやっぱりどうしようもなく他人でしかなくて、どんなに近く思ってても、分かりあえないことってたくさんあって、でもそれを悲しむんじゃなくて、楽しもうって思えました。笑おうって思いました。

 

 本当に本当に素敵な時間でした…! 全ての方に感謝です!

 

 

『JOKER TRAP』 感想

 GWあたりに舞台を2つ観ました。

 結果、最高に最高を超えた、最高で最高な最高のものを観てしまった…という感動が冷めやらぬので、この気持ちをどこかに残しておきたく、ブログを開設しました。

  まずひとつ、うたの☆プリンスさまっ♪より「JOKER TRAPN」の感想です。

 

 私はアニメやマンガのあたりをうろつくミーハーです。けれども、いわゆる2.5次元と呼ばれるような舞台は映像でも観たことがありませんでした。その評判は耳にしたことがありましたが、ものすごく思い入れのある作品が特になかったので、何かは観てみたいなと思いつつも観ないまま生きてきました。

 そのように生きてきたのにどうして「JOKER TRAP」を観ようと決めたのかというと、チケットe+から一般でもまだまだチケットが買えますよとメールがきたからです。にわかを極めているとはいえ、さすがに「うたの☆プリンスさまっ♪」は知っていましたし、舞台についても、少しだけですが噂は聞いていました。また、「JOKER TRAP」は劇団シャイニングのシリーズの中で個人的にいちばん好きな話だったので、良い機会と思い、チケットを購入し、キャストの方々も、演出や脚本などを担当された方々のことも全く知らないままに舞台を観にいきました。

 

 各方面のファンの方々は、本当に好きだからこそきっとたくさんのおもいがあると思いますし、制作側もまた想像がつかないくらいのたくさんの情熱をかけてくださったからこそあの舞台があることとおもいます。以下は、それらの全くの上辺、のごくごく一部、のほんの端っこしか知らないにわかが、徒然なるまま、何もかも考慮せず書く感想です。

 

さらに付け加えれば2次元の(そして先代の一ノ瀬トキヤの)ミーハーなので、主にそちらからの感想になりますということと、私は今回の舞台そのままを先代キャストは演じていて、今回の舞台はその再演だという個人的な想像も含む感想になります。

 

 

 今回の舞台は、ドラマCDよりも前のことを描いていたので、ストーリーなどは新しいものでした。

 新しいストーリーの中、役もまたドラマCDのものとは一味違うものとなっていたのですが、特にTOKIは、全く新しい役を与えられていて、さらにそれはとても難しい役だったんじゃないかなと思います。

 どういう風に難しいかと言えば、まず、 「一般人(という演技をしている)」という演技をし、それから「一般人の演技を解き、そこそこ腕の立つ新人スパイ(という演技をしている)」という演技をし、さらに「新人スパイという演技を解き、すごい正体を明かす(という演技をしている)」という演技をし、極めつけは終盤の盛り上がり、騙し騙されのスパイの世界の中、TOKIを含めた全員がそれぞれの本当の姿を明かし、あれやこれやでよっしゃ!! と盛り上がったところで、そこでようやく、それまでずっとずっとずっと内に秘めていた、TOKIの中の、本当の本当の本当のおもいを口にする、という感じの難しさです。

 演技をしている演技をしながらその演技を解いたふりの演技をしたりしてでも相手の言葉に心動かされたりしつつ本当の本当の本当はずっと心の中に隠したままという、もはや訳の分からないこの役は、文章の拙さを無視しても、とにかくものすごく大変であることはもう素人目にも明らかで、さぞ高い演技力が求められたのだろうと想像ができます。

 そしてまた当然のように、一ノ瀬トキヤはこの役を演じていたんだなと思いました。

 常に上の上の上を目指す、そのための努力を決して惜しむことのないトキヤ。プリンス様達全員がそうであることは大前提の上で、トキヤはまさしく努力の人です。ソロ曲にしても毎回新しいジャンルの歌に挑戦し、言い方が正しいか分かりませんが、いかに自分が歌えるかを見せつけてれるように、常に満足することのないそのストイックな姿勢の賜物である高い技術を、様々な形でいつもいつも更新して私たちに見せつけてくださいます。

 だからこそ、この演技力を試されるような役を、先代の彼は任されていたのだろうなと思いました。

 

 もともと劇団シャイニングは、ST☆RISHとQUARTET★NIGHT、そしてそのファンのためにはじまりました。なので初代のキャストであるアイドルのそれぞれの個性が役にそのまま落とし込まれています。

 けれど、キャストを変更するとなると、当て書きされた部分をどうするか、ということが問題になります。

  脚本について、すごいなあと思ったのが、そのような部分をしっかり役の魅力として、また伏線として落とし込んでいたところです。蘭丸の「ロック」も、カミュの「砂糖」も、レンの「レディ」も。

 ただ一つだけ、全くの違和感を残したまま、初代キャストのためにあったシーンを残していました。それは、RANがベースを弾くというシーンです。

 初代の時は、そのシーンはファンへのサービスという意味だけではなく、おそらく制作側から蘭丸へのプレゼントという意味合いもあったんじゃないかなと思います。毎回毎回、新しいアレンジでベースを披露し、大きな拍手がまきおこっていた様子が目に浮かびますし、それは蘭丸にとっても、とても楽しい大切な見せ場であったことでしょう。

 けれども、2代目のキャストさんにとっては、とても大切な見せ場であると同時に、ものすごいプレッシャーがかかるシーンになったと思います。やらないという選択肢もあったと思います。けれども、ベースを弾くことを選択してくださいました。

 というかもともとのドラマCDにはそのようなシーンは無いので、今回わざわざ追加してくださったことに、先代への並々ならないリスペクトを感じ、勝手に感動していました。ベース、とってもかっこよかったです。

 

 また他にも例えばアドリブをふるのはカミュだったろうし、さぞ無茶な振りを存分にしたのだろうなとおもいますし、コバヤシのアドリブ勝負に負けてふっと笑ってしまうのはレン様も同じだったろうなと思いますし、その笑顔に一体何人が殺されてしまったことだろうかというように、何となく初代の姿が頭をよぎることが多々ありました。

 2代目は、もちろん初代とは違います。けれども、初代と異なる、また新しい魅力を魅せてくださったからこそ、1代目の姿がふと脳内によぎるのです。

 まさに二重の意味で、とても楽しませていただきました。

 

 

 ここまで先代、先代と繰り返すばかりでしたが、それから個人的に一ノ瀬トキヤが好きなのでどうしてもTOKIばかり注目してしまったのですが、今回の舞台、本当に本当に本当に面白かったです。全員が全員、とても魅力的でした。

 

 でもやっぱりまたTOKIの話になるんですけれども、松村龍之介さん演じるTOKIがとてもとてもとても素晴らしくて、TOKIを作り上げてくださったその全ての過程に関わる多方面の方々全員に感謝しかありません。一般人としてはじまることさえも知らないで行ったのですが、まわりがスパイだと明かす中でひとり一般人と言い張るのをみながら、TOKIがジョーカーか…と早めに退出されたものすごいキャラの立っていたキートンを全く気にせず確信していたのですが、コバヤシとキートンがジョーカーで、TOKIは未来有望な新人スパイだとなった時にはお願いだからTOKIがジョーカーであってほしいともはや祈るような気持ちで観ていました。そして、薬を飲んでいないとすっと立ち上がるシーンは夢が叶いすぎて泣きました。そこで幕が下りると思ったので拍手する準備をしていたのですが、そのあとラリーとベガが出てきて、不穏な空気が漂い始めたので、これは、①ラリーとベガもTOKIによって毒を盛られていたために死んでしまう ②TOKIがものすごく華麗に2人を倒してしまう ③TOKIが華麗に殺される の3択を脳内で瞬時に描いて覚悟を決めたのですが、まさか皆生きていて出てきてくれると思っていなかったので、ふつうに驚きました。

 そして、ジョーカーの正体についてのTOKIの深い深い傷と葛藤とが最後に明かされて、また泣きました。

 

 レビューについてもやっぱり知らずに観に行ったので驚いたのですが、TOKI役の方のダンスが恐ろしいほどにきれっきれでかっこよくて、特にイスを使ったダンスは鳥肌が立ちましたし、腕の筋肉が2階からも3階からもくっきりとみえるくらいで、もはや恐ろしくなりました。先代は歌声が人のものとは思えないとよくおもうのですが、2代目の方はダンスと腕が人のものとは思えませんでした。

 

 ひとつずつあげて絶賛したいくらいに、本当に本当に本当に最高の舞台で、観にいってよかったと心から思います。 作り上げてくださった全ての方々に感謝の気持ちでいっぱいです! 素敵な時間を心からありがとうございました。